GA4はサードパーティークッキー廃止の影響を受けるの?

こんにちは。CCIアナリティクス担当の谷井です。昨今、デジタルマーケティング業界ではサードパーティークッキーの廃止がトレンドとなっています。いろんなところで耳にしている方も多いのではないでしょうか。

 

欧米をはじめとする各国のプライバシー保護に対する規制強化により、サードパーティークッキーを規制する流れが加速しています。
Google Chromeにおいてもサードパーティークッキーの廃止が2025年初頭に予定されており、ChromeをはじめとするSafari、Edgeなど主要ブラウザの9割以上でサードパーティークッキーが機能しなくなるタイミングが間もなくやってきます。
※参考:弊社DataDigサービスサイト Google Chorme サードパーティCookie廃止 2025年初頭へ延期

 

【DD】3pc_schedule※The Privacy Sndboxサイトより引用:https://privacysandbox.com/intl/ja_jp/open-web/#the-privacy-sandbox-timeline

 

デジタルマーケティングの中心的存在だったサードパーティークッキーの廃止により、これまで出来ていた施策が大きく制限されてしまうため、サードパーティークッキーに依存しない施策の確立が急務となっています。

 

このような状況のなか、

  • GA4もサードパーティークッキー廃止の影響を受けるのでは?

  • このまま何も対策しないままGA4を活用していいのか不安

といった方もいるかもしれません。

 

そこで今回はサードパーティークッキーの廃止におけるGA4の影響について解説したいと思います。

 

 

■クッキーについておさらい

サードパーティークッキー廃止におけるGA4への影響を解説する前に、まずはクッキーについて整理したいと思います。

 

クッキーとはユーザーの行動履歴などをブラウザに一時的に保管できるテキストファイルのことです。

クッキーには「ファーストパーティークッキー」と「サードパーティークッキー」の2種類が存在します。

「ファーストパーティークッキー」は閲覧サイトから発行されるクッキーのことで

「サードパーティークッキー」は閲覧サイトとは別のドメインから発行されるクッキーのことを指します。

 

【DA】GA4_3rdPartyCookie_restrictionsファーストパーティークッキーは主にユーザーの利便性向上に活用されています。

皆さんもいつも利用しているECサイトにアクセスすると既にログインした状態で利用可能だった、という経験は多いと思います。これはファーストパーティークッキーにより実現できているのです。

また、ウェブサイトの行動履歴などを取得するときもこのファーストパーティークッキーが機能しています。

 

一方で、サードパーティークッキーは主に広告配信に活用れています。

広告サーバーなどから発行されており、サイトのドメインに関係なく複数のドメインを跨いでクッキーの付与が可能です。そのため広告のターゲティング配信やCV計測などに活用されています。

サードパーティークッキーの廃止により、今まで可能だった配信(リターゲティング、興味関心など)やCVの計測が極めて困難な状況となります。

上記の理由により、サードパーティークッキーの廃止に関心が向けられているのです。

 

 

 

■GA4はどちらのクッキーが利用されているのか

GA4もクッキーによりデータ計測が行われていますが、使用しているクッキーはファーストパーティークッキーです。

そのため‟サードパーティークッキーの廃止により計測ができなくなってしまう”というようなことは起こりません。廃止後も引き続き計測は可能です。

※参考:アナリティクスヘルプページ [GA4] ウェブサイトでの Cookie の使用

 

 

サードパーティクッキー廃止による影響がなくて一安心と思われるかもしれませんが、GA4においてはこのサード―パーティークッキーの廃止よりも注意すべきことがあります。

 

それはSafariのITP(Intelligent Tracking Prevention)による規制です。

ITPとはアップル社がユーザーの個人情報保護の観点から導入したサイトトラッキング防止機能です。

2017年からリリースされ徐々に規制範囲が拡大しており、現在ではファーストパーティークッキーも制限がかかるようになっています。そのためGA4の計測にも影響が出ている状況です。

 

 

 

■ITPによってどんな影響を受けているのか

日本においてはiPhoneユーザーが多く、半数以上がiPhoneを利用しているとも言われています。そのため、このITPによる影響は大きいものと考えられます。

現在のITPによる制限は以下の3点です。

 

  1. サードパーティークッキーの全面ブロック

  2. ファーストパーティークッキーの保持期間は‟7日間”

  3. 広告流入(パラメータ付与されている)の場合、
    ファーストパーティークッキーの保持期間は‟24時間”

2の場合、サイト流入から7日間を過ぎて再訪問した場合、別ユーザーとしてカウントされてしいます。

 

3の場合、2よりも制限が厳しく、広告経由の流入から24時間を過ぎて再訪問した場合、別ユーザーとしてカウントされてしまいます。

 

2、3の影響によりSafariにおいてはユーザーカウントの精度が落ち、新規ユーザーやリピートユーザーの判別が正常に行われない状況となっています。

 

他にも

アトリビューション(間接貢献)分析ができない

検討期間の長い商材を扱うサイトの場合ユーザー行動が読み取りづらい

といった影響が出ています。

 

ITPについては

過去コラムポストCookieに向けたデータ活用に向けてにて詳しく解説していますのでご覧ください。

 

ファーストパーティークッキーの規制は今のところSafariのみとなっていますが、今後ますます加速すると思われるプライバシー保護の規制により、影響範囲が拡大する可能性もあります。引き続き注視が必要な領域と言えるでしょう。

 

 

今回はサードパーティークッキーの廃止によるGA4への影響からITPによるGA4への影響について解説しました。

サードパーティークッキーの廃止はGA4には大きな影響は出ないものの、マーケティング施策においては大きな影響を及ぼします。

 

CCIでは、GA4の運用サポートのほかにも

ポストクッキー時代のマーケティング支援としてDataDigサービスを展開しております。

ご興味のある方はお問い合わせください。

 

GA4

データ分析のお悩みや課題を
CCIが解決します。

CCIのAnalyticsサービスでは戦略・KPIの設定や分析設計、ツール導入・運用サポートまで総合的に支援します。
経験豊富なアナリストが
貴社をご支援
お問い合わせは
こちら

CCIは、100以上のWebサイト支援実績を有しています

CCI Analyticsサービス
支援企業様例

※50音順で掲載しています

CCI(CARTA COMMUNICATIONS )は、Google社よりAnalytics認定パートナー(GMP Partner)を取得しています。また、Adobe社のマーケティングソリューションパートナーとしても活動中です。これまでにECサイト・リード獲得サイト・ブランド認知サイトと、多種多様なお客様運営サイトの実装・分析・BIダッシュボード開発を手掛けています。