【GA4】GA4無償版におけるBigQueryエクスポート上限への対策

CCI木村です。

ユニバーサルアナリティクス(UA)の計測終了まで1年を切り、多くの企業でGA4への移行・導入が既に進められていることと思います。

 

GA4はBigQuery(BQ)に接続することで月額料金はかかるものの長期的にデータを保存でき、管理画面だけでは難しい複雑な分析やデータの活用が可能というメリットがあります。

一方でGA4無償版を利用している場合は1日にBQにエクスポートできるデータの上限が100万イベントまでと、トラフィック量の多いサイトではせっかくBQに接続してもそのまま取得したデータを送り込んでいるだけではメリットを活かしきれません。

 

今回はBQへのエクスポート上限を踏まえてどのように計測を行っていくことでBQを最大限活用できるか、ヒントをいくつかご紹介します。

 
 
  • 取得するイベントの種類を絞る

イベントの種類が多ければ多いほど、当然イベント数は膨れ上がります。

例えばですがスクロール率や特定の要素の閲覧などのイベントはカスタマイズして細かく計測している場合、1ページの閲覧でも複数回発生し全体のイベント数増加に繋がります。

一方で会員登録や特定フォームの申込完了など、そこまで膨大な量の計測が発生しないことが予想されるイベントは制限の必要はありません。

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GA4側で自動で取得されるイベントもカウント対象に含まれるため、必要に応じてカスタマイズしましょう。

 

発生数が多くなってしまうイベント、少なくて済むイベントを考えながらまずは本当に必要なイベントを取捨選択して取得する工夫が必要です。

 
 
  • 特定イベントの発生条件を絞る

そもそもトラフィック量の多いサイトでは例えば「page_view」イベントのような必須の自動イベントだけで多くのイベント数を占めてしまうことが考えられます。

そこで1つの方法として、GA4タグ自体の発火タイミングを遅らせる方法があります。

例えばメディアサイトなどであれば、記事ページにおける各ページの読了地点をGA4タグの発火ポイントとすることで記事を読み込んでくれている関心の高いユーザーのデータのみを収集する、といった方法が挙げられます。

 

その他のイベントでも特定ページのみでの発火などに制限することでイベント発生数は抑えることができます。

ただ、作為的に計測対象を限定することになりますので、サイトの目的や検証を行いたいポイントを事前に明確にしそれに合った計測内容になるよう充分考慮して設定を行うこと、計測したデータが限定されたデータであることを認識しその上で分析・傾向把握を行うことに注意しましょう。

 
 
  • GA4プロパティを2つに分け、それぞれで計測する対象を分割する

この方法は単純で、GA4無償版の制限は1つのプロパティに対してかかるものなので、2つのプロパティに分けて分散してしまう方法です。

例として、「/aaa/」と「/bbb/」のディレクトリがサイト全体の大部分を占める場合はそれぞれのディレクトリごと、あるいは「/aaa/」とそれ以外といった形で計測対象を分けることでおおよそ発生するイベントは半分ずつに分散できます。

BQ上でのデータセットはプロパティごとに作成されるので、データを抽出する際はプロパティIDを必ず確認しましょう。

 
 
 
  • BQリンクの設定画面から除外するイベントを選択する

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これまで紹介した方法はGTM等での調整が必要ですが、GA4管理画面から設定を行う方法もあります。

管理>プロパティ設定内の「BigQueryのリンク」から進んでいくと、BQとリンクしているデータストリームごとにリンクの設定を変更できます。

設定画面内で「除外するイベント」を選択する箇所があり、BQに送信しないイベントを選択できるのでデータを送信しなくてもよいイベントが明確であればこの方法で手軽に調整できます。

 
 

以上、GA4無償版におけるBigQueryエクスポート上限への対応方法をご紹介させて頂きました。

今回ご紹介した方法は100万イベント/日を若干超える(100~200万程度)サイトを想定した内容ですので、大幅に超えてしまい検証ができない場合は有償版への切り替えも検討の余地は充分にあります。

UAの計測終了も着実に近づく中で、BigQueryを絡めたGA4データ活用はデジタルマーケティング活動において重要な課題ことが予想されます。

正しくデータを収集し、収集したデータを最大限活用できるよう今から備えておきましょう。

 

CCIは、本コラムでご説明しているナレッジを踏まえつつGA4の導入や計測カスタマイズの支援を行っています。ご興味のある方は下記からお問い合わせください。

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